密かな人気、「ギー」って何?

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最近、巷で話題のギー(GHEE)
アーユルヴェーダでは最も優れた油と大絶賛されるギー

なんだか「ギー、ギー」最近良く聞くけど・・・

「いったいギーって何なのさーーーー!!??」と
モヤモヤしていたあなた!!!

今日はギーについてお勉強。
誰よりもギー(GHEE)について詳しくなっちゃいましょう!

ギーって何?

ギーとは、
バターを加熱して水分とタンパク質を取り除いた
純粋な乳脂肪だけからなる精製バターのこと。

牛の乳から作られたギーが一般的ですが
日本では無塩バターからカンタンに美味しいギーを作ることができます。
※本場の作り方は牛や水牛、ヤギなどの乳から気の遠くなるような工程を経て作られます。

体内で消化される際に、ほとんど燃えカスが生じない純度の高い油で
食用のほかマッサージオイル・外用薬として施術や治療に使われたり
儀式で神様への供物や灯りとしても使われます。

ギーの効能(アーユルヴェーダ的)

  • 若返りに役立つ
  • オージャス(活力源・元気の素・免疫力)を高める
  • アグニ(消化力)を燃え立たせ、消化を助ける
  • 声と顔色をよくする
  • 食物の味を良くする
  • コレステロールをあげない

アーユルヴェーダの古典書では、ギーについて

記憶力、知力、消化力、精力、オージャス、カパ、脂肪を増大させ、
ヴァータ、ピッタ、毒物、錯乱、疲労、不幸、発熱を除去し、
すべての油脂類の中で最も優れている

と記され、大絶賛されているほどです。

ただし、あくまでも油なのでとり過ぎに注意してください。

ギーの使い方

食用・お料理の油として

  • 炒め物やカレーに使うと最高に美味!
  • トーストやパンにつけると美味しい!風味が一層アップします。
  • 野菜スープの最後の仕上げにギー(スプーン1杯程度:お好みで)!

    スパイスをギーで熱し、スープの仕上げにジュッ!と加えてみてください。
    スパイスがなければ、ギーを加えるだけでもOK!
    ギーを加えただけであら不思議!高級レストランの味に大変身しますよ。

便秘でお悩みのとき

コロコロ便など、乾燥した状態のとき、
就寝前にホットミルクに小さじ1杯のギーを混ぜて飲めば・・・
翌朝スッキリ快腸!!!

軽い火傷のとき

ギーにターメリック(秋ウコン)を少量(ひとつまみ程度)混ぜたものを患部に塗る。
火傷後すぐに流水などで冷やしてからターメリックギーを塗ってみてください。

目の痒み、充血、目の疲れに

ギーで目を洗うというか浸す(←わかりやすく例えてみました)
ネトラタルパナという治療法がアーユルヴェーダにはあります。
※小麦粉の土手を目の周りに設置し、そのなかにギーを注ぎ目をパチパチさせるもの)

ただし!これは治療としてドクターの指示のもと行うものです。
粘膜への施術は日本では医療行為にあたりますので、サロンでの施術はもちろんNG!

ですが、個人的に試してみたいという方は
ギーを目にダイナミックに入れるのではなく
目の周りに湯煎で溶かしたギーを塗ってみてください。

下まぶたの粘膜ギリギリに綿棒でちょんちょんと塗ったり、
目の周り全体をギーでマッサージなどがオススメです。

ギーは炎症を押さえてくれる冷性のオイルなので、
目の激しい痒みにも即効性が期待できます。
目をごしごしこすって症状が悪化する前に、一度試してみてください。

* ニャーコ先生のワンポイントアドバイス *

ギーにはPITTA(ピッタ)という火のエネルギーを鎮静させてくれる効果があるので、火のエネルギーの乱れで生じた、目の疲れや痒み、充血などを鎮静できる可能性が高いのです。

デトックスに効果的

アーユルヴェーダではカラダのあらゆる管→
スロータス(血管・リンパ管・腸管など)の掃除(洗浄)にギーが使われます。
※あまり美味しいものではないので覚悟が必要ですが…

パンチャカルマというアーユルヴェーダの治療では
本治療に入る前に毒素をはがれやすくする目的でお湯に溶いたギーを飲みます。
薄めに溶いたものからはじめ、日に日に濃くしていくのですが…
濃くなればなるほど、吐き気がするほど飲みにくいのです(笑)

その分、効果は絶大でスロータス(カラダのあらゆる管)にこびり付いていた
毒素(アーマ)をゆるめ体外に排出させやすい状態にしてくれます。

ギーの作り方

材料と道具

  • 無塩バター……200~500g程度

    多いと時間がかかるので作りやすい量でどうぞ。水分とタンパク質が取り除かれるので出来上がり量は材料の90%くらいになります。

  • 鍋(ホーロー、鋳物、ステンレス製など)※アルミはNG!
  • コンロ
  • キッチンペーパー
  • ザル
  • 保存用の容器(瓶がオススメ)

作り方

  1. 無塩バターを小さく割ってなべに入れ、中火で焦がさないように溶かします。
  2. 溶けたら弱火にし、水分を徐々に蒸発させていきます。※溶けはじめたら火にかけている間、絶対にかき混ぜないこと!
  3. が立ち始め、パチパチと音がしてきます。
  4. 白い細かい泡が出てくるので、たくさん溜まってきたら泡をそっと取り除いてください。
  5. 泡が細かくなって音が静まり、鍋の中の液体(ギー)が透きとおった黄金色になったら完成間近!鍋底に茶色い沈殿物が見えたら火を止めます。今回は黒いお鍋を使いましたが、白いお鍋のほうが見極めやすくてオススメです。
  6. 熱いうちにキッチンペーパーなどで漉し不純物を取り除いたら、ギー(GHEE)の完成です!火傷に注意してくださいね。

    ▲鍋底に沈殿物があればOK!

  7. 熱いうちに煮沸した保存用の容器に入れてください。

    ▲黄金の油のできあがり
    (冷えたら一番上の写真のように固まります)

* ニャーコ先生のワンポイントアドバイス *

コーヒードリッパーで漉すと瓶に直接入れられて便利!!
でも、フィルターを使うと途中で固まってしまうので、目の細かいガーゼかネル、リードクッキングペーパーなどで漉すのがオススメです^^

保存と使用上の注意

保存容器はがオススメ!使用前に煮沸消毒しておきましょう。
※瓶に1cmくらいの水を入れて電子レンジで3分熱し、湯をすてて自然乾燥させたものでもOKです。(熱いので火傷に注意してください)

保存は常温(できれば冷暗所)、冷蔵庫どちらでもOK。
ただし、直射日光は避けて保存してください。

水分や不純物が入ると腐りやすいので使用の際には、清潔で乾いたスプーンを使うなど注意しましょう。
※インドでは古くなるほど薬効が高くなるとされています。

日本の無塩バターから作るギーは本当に美味しいので、
ぜひ作ってみてくださいね^^