六地蔵窯の安田裕康さんの酒器は、使えば使い込むほどに日常の中に溶け込んでいくようなそんな焼き物。
まずは焼き色を目で感じ、手におさめたときに土を感じ、そしてお酒を注いだときに酒器の表情を感じ、口に触れたとき改めてまた、その土や焼きを感じます。
岡山備前焼きがルーツ。焼締(やきじめ)という手法。
釉薬を施さず、窯焼きに入るとじんわりじんわりと薪を焼べながら温度を上げていき、2週間ほどかけて約1,140度まで上げ、焼き締めていきます。表面だけをカリッと焼くのではなく、低温からじんわり焼くことで芯内部まで焼け締まり、水を腐らせにくい酒器となります。
煙と火を見て窯の中の状態を想像し、温度を操りながら薪を焼べ、自然とともに作品をつくってゆくという印象です。
木々が生い茂り、時折光が差し、長く緩やかな坂にのびた窯のおわりには、もくもくと煙突からの煙。そういった幻想的な窯場でした。
窯の中でどのように薪が炭となって焼き物を染め、その風合いや色合いができたのか。それはそのときにしか起こることのない窯の中の物語なのでしょう。
自分好みのひとつを見つけて旨い酒を飲む。
一生使い込める酒器があるっていうのは、何だかとっても素敵だと思うのです。
SHOPデータ
長柄の備前焼 六地蔵窯
〒297-0233 千葉県長生郡長柄町六地蔵579-1
TEL:0475-35-0501
ウェブサイト:http://6jizo.net/
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